性感染症は、性行為によって感染する可能性のある疾患のことです。また、直接接触の性交渉以外にも、血液を介して感染するもの、妊娠時や出産時に母子感染するものなど、いろいろな感染ケースがあります。性交渉の直接感染の場合の予防にはコンドームの使用が有効ですが、完全に予防効果があるわけではありません。
性感染症の予防には感染経路、感染の種類、症状などの正しい知識を持つことが必要で、性感染の治療にはパートナーと共に行うことがとても重要です。
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03-3408-5526性感染症の感染経路と予防方法
性感染症の予防方法は、感染経路や性感染症の種類によっても変わってきます。
STDとSTIとは
STDはSexually Transmitted Diseasesの略語で直訳すれば性病となります。
STIはSexually Transmitted Infectionsの略語で日本語では性感染症となります。しかし現在では性病と性感染症は共にSTDと呼ばれることが多いです。
性感染症の感染経路と種類
・性感染症の主な感染経路は膣内性交渉ですが、膣内性交以外のフェラチオ、オーラルセックス(口腔性交)、アナルセックス(肛門性交)によっても感染します。また、性的接触以外にも、母子感染、血液製剤の投与、組織移植などからも感染する可能性があります。
・性感染症の種類には、梅毒、淋菌、性器クラミジア、性器ヘルペス、トリコモナス、HIV感染症、HPV感染(ヒトパピローマウイルス)、B型肝炎などがあります。最近では、梅毒感染の報告数が急増しています。
性感染症の基本的な予防方法
・感染経路が性交渉の場合は、基本的な予防法はコンドームを正しく使用することです。コンドームは手軽で利用し易い利点がありますが、破損したり、外れたりすることがあるので、パートナーとともに、正しいコンドームの使用方法を覚えることが大切です。腟内性交以外のオーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)の場合もコンドームを正しく使用することが大切です。
・次の予防法は、性感染症に感染している可能性の高い人との性交渉を避けることがあげられます。不特定多数との性交渉は感染の可能性が高くなります。
・また、性交渉は清潔な環境で行うことも大切です。
ワクチンの接種
ワクチンが開発されている場合は積極的に摂取することを検討しましょう。B型肝炎、HPVワクチンがあります。
感染源を特定することはむつかしい
誰からどの経路で感染したのか、相手と経路を特定することは難しいことが多いです。検査で感染が確認された場合は、パートナーとともに治療することは次の感染の予防となります。治療に専念する事とパートナー等への2次感染を予防することが大切です。
[注] 性感染症の種類別症状
[注] 性感染症の治療
性感染症の予防に関する注意点
生理中や体調不良時の性交渉は避ける
・生理中は、子宮内膜がはがれ子宮頸管が開いているので、細菌やウィルスによる上行性感染しやすくなります。そのため生理中のセックスは子宮内膜炎を起こす確率が高まります。
・体調不良や疲労の蓄積があるときは、免疫力が下がり病原体への抵抗力が低下していることがあるため、性感染症に感染する可能性が高くなります。
・生理中や体調不良時のセックスは避けるかコンドームを使用する様にします。また、生理中の血液から、パートナーへ感染することも考えられます。
清潔な場所で性交渉をする
衛生状態の管理が行き届いていない場所での性交渉は、細菌やウイルスに感染するリスクが高まります。性交渉は、清潔な寝具の上で行うと良いです。性交渉の前には、手指を洗い清潔にし、シャワーを浴びるなどしておくことも大切です。
パートナーの性器が感染していないか確認する
性交渉の際、性感染症の症状がないか確認することも大切です。性感染症には無症状である場合もありますが、性器や外陰部に症状が出る場合があります。相手が男性の場合、尿道の膿、性器のイボやブツブツ、尿道口の色の赤みなどの症状がある時は、性感染症に感染している可能性があります。相手が女性の場合、外陰部や性器の周りに、イボやブツブツ、陰毛周辺を掻いた痕、下着に膿が付着している場合、性感染症に感染している可能性があります。悪臭などの症状も性感染症の疑いがあります。
[注] 性感染症の種類別症状
[注] 性感染症と妊娠
性感染症が疑われるときに取るべき行動
性感染症は、早期発見することで早期治療することが可能です。多くの性感染症は、抗生物質や抗ウイルス薬の内服、注射、軟膏、膣錠を使用する治療で完治します。早めに医療機関で相談するようにしましょう。
すぐに検査を受ける
性感染症の感染が疑わしい時は、早めに医療機関を受診して性病検査をすることをおすすめします。治療をせずに放置した場合、症状が重症化することや、治療期間が長くなることもあります。性病科を標榜している医療機関を受診するのがいいでしょう。女性は産婦人科、男性は泌尿器科で検査すると良いです。皮膚に見た目でわかる症状がある場合は皮膚科、咽頭に症状がある場合は、耳鼻咽喉科でも良いです。
事前にお電話で診療可能か否かを確認しておくことも大切です。
パートナーに相談する
自身に性感染症の症状がある場合、パートナーも感染している可能性が高いです。性感染症に感染していた場合、自分だけ治療しても、パートナーが完治していないと再びピンポン感染することがあります。性感染症に感染していたら、自覚症状がなかったとしても、パートナーにも検査・治療をしてもらい、陽性の場合には一緒に治療をするようにしましょう。
[注] 性感染症の種類別症状
[注] 性感染症と妊娠
定期健診で早期発見し、正しい知識で治療を行う
●性感染症は、性交渉をしたこともある方なら、誰でも感染する可能性があります。潜伏期間中は、感染していても発病してないため症状はありません。潜伏期間は個人差がありますが、淋病など短いもので1週間程度、HIVなど長いものでは数年程度症状がない場合もあります。カンジダ感染など健康な方でも、常在菌として持っていて、疲れやストレス、体調不良、免疫力が低下した時に症状が出るものもあります。
●性感染症は感染後、痛み、おりもの、膿、排尿痛、いぼ、かゆみ、性交痛など症状が出るものもありますが、自覚症状の出ない場合も多いです。自覚症状がない場合、ご本人も気がつかないうちに感染していることや、パートナーに感染させている可能性もあります。症状がなくても、そのまま放置していると不妊症の原因になることもあり、治療の必要があります。治療の際は、パートナーと一緒に治療することが、再感染の予防にもなります。
●性感染症の予防には、ワクチン接種や予防に関する正しい知識を身につけること、コンドームを正しく使用する事が有効です。性感染症は、感染しても無症状の場合も多いため、定期的な検査をすることも大切です。
●性感染症は定期健診で早期に発見し、正しい知識をもってパートナーと共に治療を行うことが大切です。性感染症に感染していると、HIV感染リスクが上がると言われています。自覚症状がなくても、定期的に検査を受けることをおすすめします。
当院は、完全予約制ですのでご来院からほとんどお待たせせずにご案内しております。ご案内は、受付でお渡しする番号でご案内しております。
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