経口中絶薬と中絶手術で迷われている方へ

経口中絶薬と中絶手術で迷われている方へ 2024.12.20

中絶という選択は、当事者たちにとって非常に困難で重い決断となります。妊娠9週0日以下の中絶方法には経口中絶薬と中絶手術の二つがあり、それぞれに特徴や利点、欠点があります。この論文では、経口中絶薬と中絶手術の違い、メリット・デメリット、どちらを選ぶべきかの指針について詳しく説明いたします。妊娠中絶の方法についてお知りになりたい方々が、納得のいく選択をするために役立つ情報を提供できれば幸いです。

1.どちらを選ぶべき?

妊娠9週0日以下で妊娠中絶を行う場合、経口中絶薬と中絶手術のどちらを選ぶべきかは、個々の健康状態、おかれている状況や環境、迅速な結果、身体的負担、安心安全性、等の面を考え、各自の優先事項を考慮して選択することが大切です。
妊娠中絶完了までの時間、追加費用の負担、副作用の強い腹痛・出血、等を考慮すると、当院では、現段階で妊娠9週0日以下の妊娠中絶は中絶手術をお勧めしております。

2.経口中絶薬(メフィーゴパック)とは?意外な落とし穴あり?!

経口中絶薬(メフィーゴパック)の服用は、副作用の強い腹痛と出血が数時間続き、中絶完成までに3日以上かかります。現在では法律上、母体保護法指定医が在籍する医療機関で入院をする必要があります。また中絶薬で中絶できなかった場合は追加の処置が必要となり、時間と費用が加算される場合があります。

(1) 経口中絶薬(メフィーゴパック)の作用

経口中絶薬(メフィーゴパック)は、ミフェプリストンとミソプロストールバッカルという2種類の薬剤を使用します。1剤目ミフェプリストンはプロゲステロンの作用を阻害して妊娠を維持するホルモンをブロックし、次に2剤目ミソプロストールバッカルの服用で子宮を収縮させて子宮内の妊娠組織を子宮外に排出します。成功率93.3%と言われ失敗した場合は外科的手術が追加される場合が多いです。

経口中絶薬とは

メフィーゴパックによる人工妊娠中絶

(2) 経口中絶薬(メフィーゴパック)の服用の流れ

1剤目ミフェプリストンを服用し、2日後(36〜48時間後)に2剤目ミソプロストールバッカル錠を服用します。2剤目服用後に強い腹痛、出血や吐き気が数時間続き、妊娠組織と胎嚢が子宮外に排出されます。医療機関で胎嚢や妊娠組織の排出の確認を行いますが、6.7%の症例で排出に失敗する例が指摘されています。その時は追加の処置や手術が必要になる場合があります。
●2剤の服用によって胎嚢の排出が行われた場合の流れ
1剤目投与から胎嚢の排出まで少なくとも3日かかります。
●2剤の服用によって胎嚢が排出されず、外科的中絶手術が必要となった場合の流れ
外科的中絶手術が加わるため、時間が長くなり、費用が追加されます。

3.中絶手術とは? 

(1) 中絶手術の種類とプロセス

中絶手術は、妊娠を終了させるために外科的手法を用いる方法です。一般的な手術法は吸引法と掻爬法がありますが、当院は吸引法(MVA,EVA)を採用しています。

(2) 中絶手術の流れ

吸引法では、静脈麻酔で眠っている間に子宮頸管を拡張し10~15分前後で子宮内容物を吸引して、初診来院日1日で中絶手術を終了させるのが主流の方法となっています。
また、MVAで局所麻酔のみによって吸引することもできます。

中絶手術の流れ

中絶手術の方法【妊娠週数別】

4.経口中絶薬と中絶手術のメリットとデメリット表

  メリット デメリット
経口中絶薬 ・手術を受けなくてもよい
・陣痛による排出となる
・将来的には自宅で服用できるようになる
(※現在は医療機関のみで行っている)
・終了までに数日かかる
・強い腹痛、出血、嘔気が数時間続く
・失敗率は6.3%で、成功しない時は追加の処置と料金が必要となる
中絶手術 ・来院日当日の1日で終了する
・成功率は99%
・胎芽はお寺で埋葬される
・麻酔薬の副作用がある
(術後に吐き気が生じる事がある)
・手術による副作用がある
(術後の軽い腹痛と出血)

5.経口中絶薬と中絶手術の比較表

「経口中絶薬による中絶」と「手術による中絶」の比較
  経口中絶薬による中絶
(メフィーゴパックによる中絶)
手術による中絶
(初期中絶の場合)
目的 薬による妊娠中絶 手術による妊娠中絶
適用 妊娠9週0日以下の場合にのみ適用 初期中絶の場合は妊娠12週未満
方法 薬を2回服用することによって、妊娠中絶を行う。 吸引法(MVA,EVA)によって妊娠中絶を行う。
初診日の中絶 初診日は検査と説明のみ。
1剤目と2剤目の服用日を決める。
初診日に中絶手術可能
処置にかかる日数 3日 1日
入院の必要性 入院可能な有床施設での使用が推奨される。 日帰りで行われることが多い。
成功率 93% 99%
胎児の処置 通常は性器出血と一緒にトイレに排出される。 お寺で供養される。
副作用 2剤目投与後に、強い腹痛と多量の出血が生じる。 手術による少量の出血と麻酔による軽い嘔気
費用 10~15万円
(追加処置が必要になり、中絶手術よりも高くなる場合があります)
10万円

6.中絶手術が怖い方へ

当院の初期中絶手術では、痛みのある前処置は不要で、吸引法による中絶手術を行っています。手術時間はおよそ5分程度で、手術室へお入りいただいてから手術が終了するまでは、15分程度です。手術後は、院内の回復室でお休みいただき、術後の診察で問題がなければ、お帰りいただけます。初診来院日にご来院から帰宅まで、およそ3時間の日帰り手術が可能です。
また、術後1週間前後で子宮の回復状態や全身状態を確認しております。術後に不安や心配なお気持ちが残らないように、丁寧に術後ケアをさせていただいております。

経口中絶薬の服用は、副作用の強い腹痛と出血が数時間続きます。中絶完成までに3日以上かかります。中絶薬で中絶できなかった場合は追加の処置が必要となり、時間と費用が加算される場合があります。

以上より、時間の短さ、費用が確実であること、副作用の腹痛・出血の点、等を考慮すると、当院では現段階では妊娠9週0日以下の妊娠中絶は中絶手術をお勧めしております。

痛みの少ない中絶手術

医療機関でのサポートが必要です

中絶の選択をする際には、必ず医師と相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。医師や医療スタッフは、手術の流れ、リスクや薬の服用方法について詳しく説明しております。
医師やご家族等とよく相談し自分に最適な方法を見つけることが大切です。

心理的支援を受けましょう

中絶は心理的にも負担が大きいため、医療関係者のカウンセリングやサポートを利用することも有益です。自分一人で悩まず、専門家や信頼できる人々と会話やサポートを受けることで、より安心して決断を下すことができます。

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監修 竪山均 tateyama hitoshi
資格医 麻酔科標榜医 | 母体保護法指定医
当院は完全予約制です。 問診や各種相談は、個室で行っているため、ほかの患者さんに診療内容を知られることもありません。 来院後、ほとんどお待ちいただくことなく診療、検査を受けられます。 ささいなことも、どうぞご遠慮なくご相談ください。 このホームページが、あなたの不安な気持ちを少しでもやわらげるための一助となることを願ってやみません。

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