中絶ができる飲み薬「経口中絶薬」とは|日本でも処方認可承認|中絶手術

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中絶ができる飲み薬「経口中絶薬」とは|日本でも処方認可承認

2023年4月21日に、日本でも経口中絶薬の発売が認可されました。メフィーゴパックという薬名で2種類の薬剤からなります。1薬剤目を服用した後、36〜48時間後に2薬剤目を服用することで、妊娠中絶をすることができます。妊娠9週以下の正常初期妊娠のみに適用され、腹痛・出血等の副作用もあります。産婦人科の医療機関での処方となり保険適用外となります。中絶方法に、飲み薬という手術以外のもう一つの選択肢ができたことになります。

「経口中絶薬」とは

経口中絶薬とは、外科的な手術を行わずに薬を経口摂取することによって妊娠を終わらせる飲む中絶薬のことです。イギリスの製薬会社ラインファーマにより2021年12月に申請され、2022年1月厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で審議され未承認でしたが、パブリックコメントの意見を経て製造販売が了承されました。

妊娠初期に中絶ができる飲み薬

経口中絶薬では、妊娠初期に内服することによって妊娠を中止することができ、妊娠中絶薬とも呼ばれています。服用できる妊娠週数は日本では妊娠初期の9週以前までとなります。手術をしない中絶法のため、手術による身体的な負担をなくすことができ、中絶方法に新たな選択肢が増えることになります。

[注]What is Sexual Health?(厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究)

2023年、経口中絶薬が日本で初めて認可されました。

2023年4月21日、厚労省の薬事分科会は製造販売の承認を了承しました。経口中絶薬は、2022年では世界の82カ国が導入していると言われWHOの必須医薬品にも入っています。国内初めての経口中絶薬となり手術以外の方法で中絶することができ、またインターネットで個人輸入する必要性もなくなりました。

[注]中絶の基礎知識と費用

経口中絶薬で中絶ができる仕組み

経口中絶薬は2種類の薬剤からなり、1種類目のミフェプリストンで妊娠継続を中断し、1日半~2日あけて2種類目のミソプロストールを口腔粘膜から吸収投与して、子宮収縮によって子宮外に排出するというメカニズムで薬による人工中絶を行います。

経口中絶薬の仕組み

経口中絶薬メフィーゴ(パック)は ミフェプリストンとミソプロストールという作用機序の異なる2種類の薬からなります。
まず、ミフェプリストンを服用すると、ミフェプリストンは胎児の発育に必要なプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの受容体に結合して、胎児が成長するのに必要な栄養や酵素を遮断します。そのため胎児は成長が止まります。
次に、36時間~48時間後にミソプロストールを口腔粘膜から吸収させるバッカル投与をします。
服用すると、子宮収縮を促すことで成長が止まった受精卵や着床した胎児を子宮外に排出します。服用後約24時間以内に起こる出血によって受精卵や胎児が排出され中絶することができます。このミソプロストールの服用後の子宮収縮による腹痛や大量出血には十分な注意喚起と経過観察が必要です。

経口中絶薬の副作用と注意点

経口中絶薬の服用にあたっては、副作用と適用症例に注意する必要があります。
特に2薬剤目のミソプロストールの服用による子宮収縮作用で、腹痛と大量の子宮出血が生じることがあるので注意が必要です。

副作用とリスク

・起こりうる主な副作用には次の様なものがあります。
消化器系の副作用として、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、があります。全身症状として、めまい、倦怠感、頭痛、背中や腰の痛み、発熱、出血、等があります。出血量が多く続いたり、感染症のリスクが高まる可能性があります。
出血量が多く、止血困難な時は、追加処置として手術が必要になる場合があります。そのため、経口中絶薬を服用した後の経過観察が非常に重要です。
・国内第Ⅲ相試験の結果では、メフィーゴパック投与後の人工妊娠中絶成功率は93.3%でした。したがって、中絶薬による中絶に失敗する可能性があり、中絶手術に比べて確実性が低いと考えられています。
・うまく中絶が完了しない場合や大量出血が起こる可能性がある場合は、医療機関で追加の外科的処置が必要になるケースがありますので注意が必要です。まれに命にかかわる危険な状態になる可能性もあるので、緊急時には医療機関を受診できることが必須です。
・経口中絶薬で中絶を行った場合には、医療機関で経過観察を行い、子宮内の組織が全て排出されて中絶が完了したかを医師に確認してもらう必要が有ります。

服用における注意点

・経口中絶薬は、妊娠9週以下(63日以内)の正常初期妊娠のみに適用されます。超音波検査で妊娠週数を正確に算定する必要があります。 ・経口中絶薬は子宮外妊娠には効果がないため、異所性妊娠を除外しておくことが必要です。
・人工妊娠中絶手術と同様に、中絶薬は母体保護法指定医のもとで処方されることになります。薬局や通販等で購入することは出来ません。指定医師以外(妊娠中の女性ご本人を含む)が中絶薬を処方することは堕胎行為となり、堕胎罪に抵触するリスクもあります。
・子宮内避妊具(IUD)装着の方、副腎に障害のある方、ステロイド薬物治療を受けられている方、異常出血のある方、抗凝血剤を使用されている方、ミフェプリストン・ミフェプロストールあるいは同様の薬剤に対してアレルギー反応を持っている方の服用は禁忌です。
・外来で薬を服用し、入院せず帰宅した場合はご自宅で出血や痛み、胎嚢の排出にご自身で対応することになります。医療機関に連絡がつく等の安全な環境で服用する事が必要です。
・薬の効き方や副作用の症状には個人差が大きいです。当面は、外来処方の場合、中絶が確認できるまでの間、最大1日程度は医療機関内での待機が必須になる方向で検討されています。
・経口中絶薬で中絶を行った場合には、医療機関で経過観察が必要です。自己判断のみでなく、子宮内の組織が全て排出されて中絶が完了したかを医師に確認してもらわなければなりません。

[注]妊娠週数の計算方法

[注]異所性妊娠

[注]子宮外妊娠の症状

[注]子宮外妊娠の治療

経口中絶薬と中絶手術の比較及び避妊の重要性 

初期の中絶手術は、日本では吸引法か搔爬法で行われていますが、WHOは、中絶は吸引法か又は薬剤による方法を推奨しています。薬による中絶と手術による中絶には、それぞれメリットとデメリットが存在します。経口中絶薬の承認により、中絶の選択肢が増えることになります。

経口中絶薬と中絶手術の主な長所と短所

  長所 短所
経口中絶薬 ・手術を受ける必要がないため、手術や麻酔による副作用がない。

・中絶薬による副作用(腹痛、出血)がある。
・中絶完了まで3~4日かかり、失敗率7~8%ほどで追加の処置が必要になる。
・妊娠9週0日以下までしか適用できない。
中絶手術 ・15分ほどの短時間でほぼ確実に中絶できる。
・妊娠22週未満まで手術可能。
・手術や麻酔薬による負担や副作用の可能性が生じる。

望まない妊娠をしないことの大切さ

・アフターピルで簡単に避妊でき、飲む中絶薬で容易に中絶できると考えることは正しくはありません。日頃より、望まない妊娠をしないように工夫をすることが大切です。
・望まない妊娠をしないためには、ピルや子宮内器具ミレーナなどの方法があります。避妊に失敗した場合はアフターピルを服用し、それでも妊娠してしまった場合には、飲む中絶薬か中絶手術となります。

[注]アフターピル

[注]ピルの種類

[注]ミレーナ取扱説明書

 

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監修 竪山 均Hitoshi Tateyama

資格医

  • 麻酔科標榜医
  • 母体保護法指定医

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