低用量ピルの服用にはどのような効果がある?期待できる副効用|ピルと避妊

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低用量ピルの服用にはどのような効果がある?期待できる副効用

低用量ピルには、避妊効果と病気の治療効果があります。それらのピルの効果を引き出すためには、ピルを正しく服用することとピルの副作用を知っておくことが大切です。ピルを飲み忘れた時や避妊に失敗した時の対処法も知っておく必要性があります。ピルの副作用には不正出血等のマイナートラブルの他に、血栓症などの重い副作用もあります。低用量ピルの効果を得るために、その服用方法と副作用をよく理解して内服を続けましょう。

低用量ピルの服用による効果

低用量ピルを服用することで排卵を抑制し生理周期を調整することができます。排卵抑制によって避妊することができ、生理周期の調整によって過多月経や月経困難症の治療をすることができます。

避妊の効果

・経口避妊薬の低用量ピルを生理開始5日以内から毎日規則正しく服用すると、服用開始後1週間程度で排卵抑制による避妊効果を得ることができます。

・ピルを服用している間は高い避妊効果がありますが、その後妊娠を希望してピル服用を中止すれば1~2カ月で排卵が開始され次回より妊娠することが可能になります。したがって低用量ピルの長期使用が原因で将来不妊症になることはなく、妊孕性を低下させることもありません。

・ピルの内服は、高い避妊効果を得ることができる避妊方法ですが、性感染症を予防することはできないので、性交渉による性感染症予防にはコンドームを併用することをおすすめします。

・低用量ピルの避妊効果は排卵抑制の他に、子宮頸管粘度の増加による精子の子宮頸管への侵入阻止しや、子宮内膜の増殖を抑えることによる受精卵の着床障害の作用もあります。

・低用量ピルを、飲み忘れなく理想的に使用した時の避妊効果のパール指数は0.3と言われています。

[注]パール指数

月経周期を調整する効果

・低用量ピル錠剤を服用している期間は生理が起こりません。ピルの休薬期間中に生理様出血(消退出血)がおこります。したがって、低用量ピルの飲み方を調整することによって生理日を自由に移動することが可能となります。

・ピルの内服を工夫することで、旅行や大切な行事のために生理予定日を早めたり遅らせたりすることができます。

<月経を短縮する場合>
ピルを10日以上内服した後に、月経開始を希望する日の前日にピル服用を中止することで生理が開始します。

<月経を延長する場合>
月経を開始する日まで、ピルを連続して服用します。
・生理日の調整を確実に行うには中用量ピルを使用しますが、中用量ピルは低用量ピルに比べてホルモンの用量が多いので連続投与の低用量ピルを服用することが勧められます。
・普段から低用量ピルを服用している方も、生理日を移動させたい場合は、普段と異なる服用方法が必要になる場合がありますので、早めに処方医に相談するようにしましょう。

月経痛・過多月経・PMS・PMDDの改善に効果

低用量ピルは、ひどい生理痛を伴う月経困難症や、過多月経、PMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)等の改善の治療薬としても用いられています。
低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンが主成分の合剤です。
低用量ピルの服用時はホルモンバランスがコントロールされ、子宮内膜が薄くなり、排卵・受精・着床を抑制するように働きかけます。
避妊目的のピルも、月経困難症や子宮内膜症などの治療薬ピルも、ピルの成分は同じ女性ホルモンです。

[注]ピルとは

低用量ピルの副効用と副作用

低用量ピルには避妊作用の他に月経困難症や子宮内膜症、PMS、等の治療薬としても副効用があります。一方で、ピルの飲み始めの頃に起こりやすいマイナートラブルや重大な副作用の静脈血栓症(VTE)などがあります。低用量ピルは、ピル服用によるメリット・デメリットをよく理解して正しく服用することが大切です。

低用量ピルの副効用

低用量ピルには、高い避妊効果の他に、女性特有の生理痛などの悩みを解決してQOL(生活の質)を向上させる副効用があります。

<保険適用ピルの効用>
保険適用ピルLEPは月経困難症や子宮内膜症にともなう生理痛の改善に効果があります。

<月経不順の改善>
ピル服用でホルモンバランスを調整して生理不順が改善されます。身体の状態を安定化させてくれます。

<過多月経の改善>
ピル服用によって子宮内膜が薄くなるため、月経血量が減少することが期待できます。毎月の生理の経血量が減るため、貧血、過多月経の症状が軽減し、生理痛の悩みが軽減されます。

<PMS、PMDDの改善効果>
PMS(月経前症候群)やPMDD (月経前不快気分障害)の詳細な原因は不明ですが、ピル服用によって黄体ホルモンの大量分泌を抑えてPMSやPMDDの不安や心配の改善が期待されます。

<ニキビの改善>
ピル服用によるホルモンバランスの調整によりニキビなどの肌荒れ改善にも効果が期待できます。しかし、ピルが体に合わない時は逆に肌荒れの原因となることが有りますので、その時は気軽に医師に相談してピルを変更してもらいましょう。

<特定のガンにも効果があります>
卵巣がん、子宮体がん、大腸がんの発症リスクが低下することがわかっています。

低用量ピルの副作用

<マイナートラブル>
ピルはお薬ですので様々な副作用もあります。
ピルの服用によりホルモンバランスが整えられて様々な良い効果があるのですが、内因性ホルモンとの作用により体内のホルモンバランスが変化するため、不正性器出血、嘔気、めまい、気分変調、体重増加、乳房緊満、胸の張り、乳房の張り、眠気、便秘、などのマイナートラブルが発生することがあります。
ピル服用中にもかかわらず不正出血が生じることが有り、またピル休薬期間中に消退出血が起こらない無月経となる事もあります。
不正出血、吐き気、頭痛、むくみ、下痢等はほとんどの場合は軽度の症状で、服用を続けている間に1~数ヶ月で落ち着いて緩和されるケースが多いです。
治らない場合は、ピルを処方されたクリニックに予約を入れて相談しましょう。

<重篤な副作用>
低用量ピル服用による特に注意が必要な副作用には、血栓症があります。血栓症を引き起こす要因は様々ですが、年齢、喫煙、肥満、高血圧・高脂血症状などの基礎疾患がある方は、血栓症リスクをさらに高める要因となります。
服用中に、ふくらはぎの痛み・むくみ・発赤、急激な体重増加、激しい腹痛、激しい頭痛、激しい胸痛、突然の息切れ、急に視野が狭くなる、舌のもつれなど血栓症が疑われる症状がある場合には、低用量ピルの服用を中止し循環器専門医のいる病院を受診して、症状とピルを服用していることを伝えてください。

<ピル服用で気をつける癌>
乳がん、子宮頸がんは服用を継続することで発症のリスクが上昇する可能性があります。低用量ピル服用の有無に関わらず、定期的に年1回は乳がん検診、子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。

[注]ピルの副作用

[注]ピル服用中の不正出血

[注]ピル休薬期間中の無月経

低用量ピルの使用方法と服用できる年齢

低用量ピルの服用方法は、1日1回飲み忘れることなく同じ時間帯に服用を続けることが大切です。服用年齢は、健常女性であれば、初経から閉経まで投与することができますが、若年女性にピルを投与する場合は、骨成長への影響を考慮する必要があります。50歳以上の方には投与しません。

低用量ピルの使用方法

低用量ピルは、体内のホルモン量を一定に保つため、1日1回、原則同じ時間帯に服用します。飲み忘れを防ぐためにも、1日の中で服用するタイミングを決めて、スマホのアラーム機能などを活用して飲み忘れることなく服用することが大切です。

[注]低用量ピルの飲み方 

ピルの処方

・低用量ピルは市販されていませんので、ドラッグストア等で購入することはできません。産婦人科の医療機関を受診して処方してもらう必要があります。

・内科でもピルの処方はできますが、超音波検査、子宮がん検査、婦人科診察、副作用の検査等は行っていないことが多いです。オンライン診療も活用できます。

・問診、既往歴の確認、血圧測定・体重測定、必要に応じて血液検査、エコー検査等を行い、問題がなければピルを処方できます。

・服用に心配がないようにサポートすることが大切です。

低用量ピルを服用できる年齢

・低用量ピルは、健常女性であれば初経から閉経まで投与することができますが、閉経したか又は50歳以降では投与できません。

・低用量ピルは、生理が始まって6ヶ月を経過し、特に病気がない方であれば10代でも服用を開始することが可能です。ただし、骨の成長や密度への影響を考えて、10代の思春期の患者さんには慎重に投与する必要があります。重い生理痛など月経困難症や月経前症候群(pms)の治療のために小中学生でも医師の判断で処方することは可能です。

・40歳を過ぎたあたりから年齢が上がるとともに、低用量ピル服用による血栓症リスクがより上昇していきます。そのため40歳以降の低用量ピルの服用には、危険性と有益性を十分に検討したうえで、慎重に投与する必要があります。必要に応じて、低用量ピルを服用する以外の代替療法に切り替えを検討する場合もあります。

ピルの種類とピル服用で注意する事

ピルには様々な種類や分類方法があります。用量による分類、使用目的による分類等があり、使用目的と自分にあったピルを選択することが必要です。

ピルの種類と分類法

<使用目的による分類>
産婦人科領域では、自費の経口避妊薬ピルはOCと言われ、保険適用の治療薬ピルはLEPとよばれています。両者を合わせて女性ホルモン剤をOC・LEP(オーシーレップ)と呼んでいます。

[略語解説]
OC=oral contraceptive(経口避妊薬)
LEP=low dose estrogen-progestin(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)

[注]経口避妊薬ピル

[注]保険適用ピル

[参考文献]「OC・LEPガイドライン2020年度版」公益社団法人 日本産科婦人科学会/一般社団法人 日本女性医学学会 編集 
<シートのタイプによる分類>
ピル錠剤の数による種類では、主に21錠、28錠、連続タイプがあります。
・21錠タイプ、経口避妊薬ピル、ダイアン
21錠服用して、その後の7日間は休薬期間となります。

・28錠タイプ、経口避妊薬ピル、トリキュラー28
4行目の7錠はプラセボです。

・連続タイプ、一相性、保険適用ピル、ヤーズフレックス
3ヵ月間連続して服用できます。

ピル服用に関しての注意点

<ピルの飲み忘れ>
ピルの錠剤を飲み忘れた場合の対処法は大切です。1錠の飲み忘れや、2錠以上の飲み忘れにも対処法があります。

[注]ピル飲み忘れ

<避妊に失敗した場合>
避妊に失敗した場合は緊急避妊薬の服用が有効です。性行為以後72時間以内(3日以内)であれば、アフターピルの服用は高い確率の避妊法になります。

[注]アフターピル

[注]避妊に失敗

<産褥期のピル投与の禁忌>
出産後授乳しない場合、産後4週間以内はピル投与しません。産後授乳中の場合、産後6ヶ月以内はピル投与しない。

<高血圧の場合>
収縮気圧160㎜Hg、拡張気圧100㎜Hg以上を持続し、狭心症・高血圧性網膜症などの血管病変がある場合は、ピル投与は禁忌です。

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監修 竪山 均Hitoshi Tateyama

資格医

  • 麻酔科標榜医
  • 母体保護法指定医

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