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03-3408-5526中絶手術が可能な時期とは
人工妊娠中絶は、手術可能な期間が母体保護法という法律によって定められています。妊娠の週数確認を知り、妊娠状態が子宮外妊娠(異所性妊娠)や流産などの異常がないかどうか確認するための診察はなるべく早く受けることをおすすめします。正確な「妊娠週数の数え方」と、「中絶手術の実施が可能な時期」について解説します。
妊娠週数の数え方
妊娠週数は、最終月経開始日と超音波検査による胎児の計測値で決めます。
・最終生理から妊娠週数をきめる方法
最終月経開始日を妊娠0週0日として、測定日までの日数によって週数を計算します。この方法は、超音波検査や体外受精等がなかった時代から現在まで、赤ちゃんの大きさの週数を推定する方法として多くの国で採用されてきました。体外受精で妊娠した場合は、体外受精を行った日を妊娠2週0日として計算します。また、顕微授精による胚盤胞移植の場合は移植した日を妊娠2週5日として計算します。これらの方法はすべて最終生理からの妊娠週数の算定方法が基本になっています。月経周期(生理周期)が28日で月経不順(生理不順)のない人には良くあてはまります。
・超音波検査による妊娠週数の決め方
超音波検査で胎嚢が見えるのが妊娠4週~妊娠5週目、卵黄嚢・胎芽が見えるのが妊娠5週~妊娠6週です。妊娠8週~10週頃の胎児の頭殿長
(CRL)、と妊娠11週頃以降の大横径(BPD)で妊娠週数をきめます。これは出産予定日を最終的に算出するためで、ここで決められた方法による週数と出産予定日は以後変更しません。
・妊娠初期は赤ちゃんの発育の個体差が少ないため、 CRL計測・BPDの計測により正確な妊娠週数を決めることができます。そのため、妊娠週数は最終月経日を参考にして超音波検査での結果を優先させて総合的に決定します。
(注)詳細は妊娠週数の計算方法をご参照ください。
中絶手術の実施が可能な時期
人工妊娠中絶手術が可能な時期は妊娠週21週6日目までです。妊娠22週の期間をこえると中絶手術を行うことはできません。
中絶手術は初期中絶と中期中絶に分けられ、初期中絶は、妊娠4週~11週6日目の間に行われ、中期中絶は、妊娠12週~21週6日目の間に行われます。
【時期別】中絶手術の比較表
初期中絶と中期中絶の違いを、以下の表にしてまとめました。
項目 | 初期中絶 | 中期中絶 |
---|---|---|
時期 | 11週6日目まで | 妊娠12週~21週6日目まで |
手術の方法 | 吸引法、掻爬法 ※当院は吸引法(電動吸引・手動吸引(MVA))を採用 |
人工的に陣痛を起こす分娩様式。 12週、13週は麻酔下の鉗子分娩も可能性あり |
前処置 | なし | 14週以降は、前日に子宮頸管拡張の術前処置あり |
手術時間 | 約3分 | 鉗子分娩は5分~15分程度。 陣痛時間は個人差あり |
麻酔 | 3種類の静脈麻酔と笑気麻酔を併用 | 鉗子分娩時には静脈麻酔と笑気麻酔を併用 |
痛み | 手術中はほとんど痛みはありません | 分娩様式の場合は通常分娩の百分の一以下の痛み。麻酔で痛みを減らすことも可能 |
出血 | ほどんど出血なし | ごく少量、個人差あり |
リスク・副作用 | ほとんどなし | 胎盤遺残に注意 |
費用・料金 | 12万〜13万円 (週数と受診曜日による) ※術後検診費用はかかりません |
39万〜46万円 (週数と受診曜日による) ※術後検診費用はかかりません |
助成金 | なし | 健康保険加入者には出産育児一時金が支給されます |
同意書 | 原則として必要 | 原則として必要 |
術後の役所への届出 | 不要 | 死産届と死産証明書を役所へ提出し、死胎火葬許可証の取得が必要 |
埋葬 | 当院で手配 全例に胎児の永代供養をさせていただきます |
当院で手配 全例に胎児の永代供養をさせていただきます |
(注)詳しくは人工妊娠中絶と費用をご覧ください
(注)同意書についてをご参照ください。
(注) 中絶手術の流れをご参照ください。
(注) 中絶手術の方法をご参照ください。
(注) 術前処置なしをご参照ください。
中絶手術の時期は早めがベスト
中絶手術をすることを決断された場合、早めに医療機関を受診することをお勧めします。その理由の一つは、母体保護法によって中絶できる期間が決まっているからです。その時期を超えると法律上手術はできません。二つ目の理由は、週数確認と妊娠状態を早く知ることで、確実な対策をきめて、妊娠状態にあった最適の方法を選択できるからです。
診察・診療は早めがベスト
普段から生理周期が不安定などの症状がある場合には、妊娠に気がついた時には自分で思っていたよりも妊娠週数が進んでいるケースもあります。ですから、生理が遅れたり、尿検査の妊娠反応で陽性になった場合はできるだけ早いタイミングで、産科・産婦人科を標榜している病院・医院を受診して、さまざまな妊娠の状況を正しく確認することをおすすめします。
ご本人が早めに受診することで、問診や血液検査等によって、ご自分の健康状態・合併症を早く知り、早く対処・対応することができます。
・初期妊娠について
妊娠12週までの妊娠初期であれば、流産・死産や子宮外妊娠(異所性妊娠)の異常がないか、子宮内膜への正常妊娠かどうか、を確認し確実に診断する必要性があるため、早めの受診・相談が大切です。子宮口を拡張する痛みの伴う術前処置は不要です。ご希望者には来院日当日の日帰り手術可能です。来院してから帰宅するまで約3時間程度です。手術後は安静にして頂ければ、状況および個人差はありますが、ほとんどの方が翌日よりお仕事されています。
・手術後は1週間前後(7日前後)に再検診にご来院いただき、出血、感染症、お腹の痛み等の症状の問題がなければ、今回の中絶手術はすべて終了になります。
・中期妊娠について
妊娠12週から21週6日までの妊娠中期であれば、原則として陣痛による分娩形式になりますので、入院設備の整った病院・医院での入院になります。初期中絶に比べて身体的にも経済的にも負担が大きくなるため、早めの受診と手術が大切です。
(注) 中期中絶手術の方法をご参照ください。
「中絶手術で負担の少ない手術時期」
当院の「中絶手術で負担の少ない手術時期」
・初期中絶で負担の少ない時期
初期中絶とは、妊娠11週6日までの妊娠初期に行う中絶です。
妊娠について、パートナーとよく話し合い、中絶手術を受けることが決まったら、なるべく早いタイミングで病医院・クリニックを受診して診察することをおすすめします。
妊娠4週目~5週目は胎嚢が見えないことがあります。尿による妊娠検査が陽性で超音波検査で胎のうが見えない時は、子宮外妊娠または流産を除外する必要があります。
妊娠5週~妊娠6週では、子宮内妊娠を確認できても、胎のうが小さいことがあり、「取り残し」に注意が必要です。
妊娠7週、妊娠8週では、胎のうと胎芽ははっきりとするため、「初期中絶で負担の少ない最適の妊娠週数」といえます。
妊娠9週、10週、11週は、胎児が大きくなるため、手術時間が長くなる傾向があります。
妊娠12週未満の中絶手術はすべて自由診療の自費となります。
妊娠4週~妊娠12週までは、消費税と1週間後の再診料を含めて、金額は同一の12万円となります。
下記の(注)妊娠中絶手術の費用をご参照ください。
(注)次の子宮外妊娠(異所性妊娠)をご参照ください。
(注)次の死産・流産・中絶の基礎知識をご参照ください。
(注)次の中絶手術後の取り残しについてをご参照ください。
(注)中絶手術の方法をご参照ください。
(注)妊娠中絶手術と費用をご参照ください。
・中期中絶で負担の少ない時期
中期中絶とは、妊娠12週~妊娠21週6日まで妊娠中期に中絶のことです。中期妊娠は週数が大きくなるにつれて手術が難しくなり、料金も高くなります。したがって、「中期中絶は妊娠12週か妊娠13週が負担のすくない時期」となります。早く受診して妊娠状態を確認することが重要になってきます。術後は数日安静にして頂ければ術前の健康状態に戻っていきます。
(注)次の中期中絶手術の方法をご参照ください。
(注)中絶手術の麻酔についてをご参照ください。
手術と術後について
・当院では、手術法、痛み、手続きなどご不安に思うことのご相談に対応できます。当院の院長は、母体保護法指定医師であり、多くの経験があります。患者さまのプライバシーに配慮した個室でのご相談をご用意しておりますので、どうぞお一人に悩まずに、ご相談ください。受診には電話によるご予約をお願いいたします。未成年の方のご相談にも対応しています。
・初診時の問診で合併症・既往歴の確認をおこないます。超音波検査で筋腫、子宮後屈、人工的な帝王切開瘢痕の有無、等の精査を行います。初診の方は保険証の持参が必要です。次に血液検査を行いRh式血液型不適合妊娠、貧血等の検査を行います。
・中絶は「母体保護法」の法律の適応で、「母体保護法指定医師」のもとで行われます。
(注)中絶手術の条件・母体保護法をご参照ください。
(注)帝王切開後の中絶をご参照ください。
・中絶手術が原因で不妊症になることはありません。「望まない妊娠をしない」ように、ピルや子宮内器具ミレーナで避妊をすすめています。ピルは女性が主導して行う避妊法で、飲み忘れなくきちんと服用いただくことで、高い確率で避妊ができ、生理痛、生理周期の改善にも有効です。避妊方法には選択肢と違いがありますので、希望される方はご相談ください。
術後のいろいろなケースに対して原因の理由と説明、改善の情報を発信しています。
(注)未成年の場合は?をご参照ください。
(注)術前検査・Rh式血液型不適合妊娠をご参照ください。
(注)ピル・ホルモン剤の副作用をご参照ください。
(注)中絶手術後の症状と対策をご参照ください。
(注)中絶手術後の出血をご参照ください。
(注)中絶手術後の腹痛をご参照ください。
(注)中絶手術後の生理不順についてをご参照ください。