帝王切開後の中絶手術について~リスク と方法~ 2024.10.02

近年、帝王切開による分娩が増加しています。帝王切開術で出産されたご経験のある方が、次の妊娠時に様々な理由で中絶手術を考慮される場合、その手術が可能かどうかや術後の影響についてご心配されている方もいらっしゃると思われます。当院では、帝王切開後の妊娠状態を十分に評価したうえで、帝王切開術後の中絶手術を承っております。日帰り手術にも対応しております。

ひとりで悩まずご相談ください

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1.帝王切開後の中絶手術について

当院では、帝王切開経験者でも、中絶手術をお受けすることができます。但し、その時の妊娠の状態、妊娠週数、リスクを十分に理解しながら慎重に進めて行くことになります。現在の妊娠週数と妊娠状態を正確に把握することで、帝王切開後の中絶手術を安心して実施することができます。
また、妊娠初期と妊娠中期では手術方法が異なるため、妊娠週数や一般的な手術方法については以下の動画で確認して頂くことができます。

2.帝王切開後の中絶手術のリスク

帝王切開後の中絶手術には様々なリスクが伴うことがあります。手術時間や麻酔時間が長引き出血量が多くなることもあり母体への負担が増えることもあります。また、帝王切開瘢痕症候群や帝王切開瘢痕部妊娠の知識も必要となります。リスクについてよく理解し、手術前に医師と十分に相談することが重要です。
帝王切開後の中絶の主なリスクをあげます。

(1)CSS(帝王切開瘢痕症候群 Cesarean section Scar Syndrome)

これは、帝王切開創の傷跡が瘢痕化や陥凹を起こして月経異常等を引き起こす疾患です。帝王切開を受けた方の子宮の傷跡が、周囲の筋層よりも薄くなって、創部が瘢痕化、菲薄化することで生じます。帝王切開創の精査確認が必要です。

(2)CSP(帝王切開瘢痕部妊娠 Cesarean section Scar Pregnancy)

稀な現象ですが、瘢痕部に胎嚢が着床した状態で妊娠継続や中絶には慎重な観察が必要です。異所性妊娠となり高次病院への搬送の対象になります。

異所性妊娠

(3)着床異常

帝王切開後の妊娠では、前置胎盤、癒着胎盤、異所性妊娠、を合併しやすいため術前の検査や術中の注意が重要です。

(4)術後の弛緩出血

子宮切開創の収縮が悪いため、術中、術後の出血量が多くなる傾向があります。

(5)手術時間の延長

帝王切開後の中絶は、子宮口を十分に開いてから手術をする必要があるため、手術時間が長くなる傾向があります。

3.帝王切開後に受ける中絶手術の方法

前述したように、帝王切開後の中絶手術のリスクを避けるためには、正確な妊娠週数と妊娠状態を十分に把握して、より慎重に手術を行うことが大切です。
手術後には経過を見させていただくため、必ず術後1回は受診し術後検診を受けましょう。

中絶手術の流れを詳しく知る

初期中絶と中期中絶について、もう少し詳しく解説いたします。

(1)帝王切開後の初期中絶の方法

帝王切開後の初期中絶手術は通常の中絶手術よりも、より慎重にエコーガイド下で吸引法を行います。手術日は、来院から帰宅まで日帰りで3時間ほどのお時間で帰宅可能です。手術の麻酔には当院では静脈麻酔と笑気麻酔を併用して痛みを取ります。
帝王切開後の中絶は妊娠状況を正確に把握することが重要です。特に、帝王切開瘢痕症候群(CSS)や帝王切開瘢痕部妊娠(CSP)がないか確認します。当院では、術前の超音波検査で帝王切開創と胎児の着床部位を確認し、問題がなければ吸引法による中絶手術を行います。
ただし、きわめてまれなケースですが、CSPが認められた場合は高次病院への紹介を考慮することになります。

中絶手術の方法

(2)帝王切開後の中期中絶の方法

帝王切開後の中期中絶では少し方針が異なります。子宮頸管を十分に開口させることが重要です。エコーガイド下で可視化することも大切です。
中期中絶では、陣痛による瘢痕部への影響を小さくするために、術前に子宮口の開大を十分に行います。
中期中絶も同様にCSSやCSPの確認を行い、必要に応じて吸引法または分娩法・鉗子分娩で中絶手術を実施します。妊娠12週までは吸引法、13〜14週の場合は前処置の有無に関わらず吸引法か分娩法・鉗子分娩、15週以降では前日に子宮頸管を十分に広げてから翌日分娩方式・鉗子分娩で手術を行います。中期中絶には過強陣痛への注意が必要です。

中期中絶手術の方法

4.帝王切開後に受ける中絶手術の費用

帝王切開後の中絶は、妊娠状態をより詳しく知って手術方法もより慎重に行う必要性があるため、通常費用に多少加算されます。詳しくはお電話でお尋ねください。

中絶手術の費用

5.帝王切開後の中絶手術に関するよくあるご質問

帝王切開後の人工妊娠中絶手術については、よくわからない点もおありかと思います。よくお受けする質問について、まとめました。
当院では、個室で問診が行われますので、来院時にご不明やご不安なことは院長に直接相談していただけます。

帝王切開を2回以上経験している場合でも、中絶手術はできますか?

はい可能です。より慎重に対処する必要があります。
帝王切開を2回以上繰り返すと前置胎盤や癒着胎盤を合併する頻度が高くなります。着床部位と切開創の位置関係を十分に観察することが重要です。 初期中絶では超音波ガイド下に慎重に行うことで中絶手術は可能です。
中期中絶では、より慎重に観察し、前置胎盤や癒着胎盤の合併や、帝王切開瘢痕部妊娠CSPの合併がないことを確認して子宮口を十分に開口させ超音波ガイド下に行います。
CSS、CSP、異所性妊娠、等の合併が疑われるときは、高次病院への依頼を考慮することになります。


帝王切開後1年以内に妊娠した場合、中絶が必要ですか?

いいえ。中絶手術を実施する必要はなく、出産することは可能です。
ただし分娩管理の整った病院でのフォローが必要です。妊婦検診時に胎盤の位置と帝王切開瘢痕部分の精査を行い、切迫早産にならないように注意し胎児の健康状態を見ながら、妊娠37週前後に予定帝王切開分娩になることが多いです。

6.帝王切開後の中絶手術はたて山レディスクリニックにご相談ください

帝王切開術後に妊娠し、ご事情により妊娠継続が難しく中絶手術をお考えの場合には、早めに医療機関へのご相談をお勧めします。 当院では、帝王切開後の人工妊娠中絶手術に対しても手術をお受けすることができる場合がありますので、まずはお電話でご予約の上ご受診ください。術前・術後のご不安に思うことはお気軽にご相談ください。
当院は多くの症例数があり、母体保護法指定医の院長が、帝王切開後の人工妊娠中絶手術についてご相談をお受けしております。手術のご相談から術後のフォローまでを丁寧に説明させていただいております。ご自身の妊娠週数や妊娠状態、帝王切開瘢痕症候群CSS、やその他の合併症の有無を早く正確に知ることは、お身体への負担をなるべく少なくするという意味で大切です。
妊娠初期と妊娠中期では手術の方法や費用も変わってきます。当院での初期中絶手術は吸引法を採用し、痛みの少ない安全性に配慮した手術を行っております。 術後についても、今後「望まない妊娠をしない」ように、ご相談とお身体のフォローをさせていただいております。

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印刷が難しい場合は画面を参考に手書きでもOKです。

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事前に電話(03-3408-5526)でご予約下さい。
監修 竪山均 tateyama hitoshi
資格医 麻酔科標榜医 | 母体保護法指定医
当院は完全予約制です。 問診や各種相談は、個室で行っているため、ほかの患者さんに診療内容を知られることもありません。 来院後、ほとんどお待ちいただくことなく診療、検査を受けられます。 ささいなことも、どうぞご遠慮なくご相談ください。 このホームページが、あなたの不安な気持ちを少しでもやわらげるための一助となることを願ってやみません。

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