中絶に必要な検査とは?母体を守る術前・術後の大切な手続きと流れ

2025.07.02
妊娠の継続が難しく、人工妊娠中絶手術を受けることを決断される場合に、手術の前にどのような検査を受ける必要があるのかを、ご心配されている方もおられると思います。当院では、患者様のご負担がなるべく少なく、不安や心配な気持ちを和らげて、清潔で安心と安全性に配慮した手術を受けられるようなクリニック作りを心がけております。院内環境も、換気を徹底し、診察室・手術室はもちろんのこと、診察時の椅子や内診台、待合室の椅子やテーブルもこまめの消毒滅菌に配慮しており、院内は常に清潔に保っています。
事前の検査で、正常妊娠であるかどうか、ご自身の妊娠の状態を早めに正しく知ることは大切なことです。中絶手術の手術前検査の種類についてご説明いたします。

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1.中絶手術前に受ける検査の種類

来院されましたら、まず問診表に、既往歴、妊娠歴、現在の健康状態、等を記入していただきます。問診で、喘息、アレルギー体質、食事、現在の体調をお聞きします。次に、超音波検査・尿検査によって、妊娠の有無、正常妊娠の確認、妊娠状態と妊娠週数の推定、を行います。そして、採血で感染症検査などを行います。胎児と母体の状態を正しく把握することで、より安心して安全性に配慮した手術を受けていただくことができます。
妊娠すると母体の免疫力が低下するため子宮がん検査を行うこともあります。
術前検査内容の、超音波検査、尿検査、血液検査について、記述します。

超音波検査(エコー検査)

超音波とは、人の耳では聞こえない高い周波数の音のことで、超音波検査とはこの超音波を利用して、非侵襲的に副作用もなく体内の子宮や卵巣の状態を画像にして確認できる検査方法です。
経腹または経腟の超音波検査で胎児の状態、異所性妊娠・子宮外妊娠の除外、胎のう、胎芽・胎児、胎盤、子宮の検査を行います。双胎妊娠、多胎妊娠、重複子宮、弓状子宮、子宮後屈、子宮筋腫・内膜症、卵巣のう腫、子宮奇形、等を調べます。
胎のうと胎児の大きさから妊娠週数を推定します。

胎児と胎芽について簡単に解説いたします。

広い意味で、胎生動物の子宮内にある児を胎児といいます。その中で、器官原器の分化が完了していない妊娠10週までを胎芽と呼び、妊娠10週から娩出されるまでを胎児といいます。

尿検査

超音波検査で子宮内妊娠が不明確な時は尿妊娠検査を行います。
尿検査は、妊娠した絨毛上皮から分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピンhuman chorionic gonadotropin)というホルモンを尿検査で調べる方法です。超音波検査よりも早く妊娠を知ることができます。妊娠4~5週くらいでは超音波検査で胎のうが確認できないときでも、尿妊娠検査ではhCG陽性となります。
超音波で胎のうが確認できず、尿検査で妊娠反応が陽性の時は、着床してからまだ時間がたっていないか、流産して見えないのか、または異所性妊娠、のいずれかにあたります。

血液検査

超音波検査および尿検査で妊娠が確認された場合は、次に血液検査を行います。検査の内容は、肝機能、腎機能、B型肝炎、C型肝炎、感染症検査、HIV、梅毒検査、クラミジア検査、貧血検査、血液型、Rh式血液型、等です。

Rh式血液型不適合妊娠について少し詳しく解説いたします。
赤血球の表面にはいろいろな抗原があります。ABO式血液型のA抗原、B抗原のほかに、Rh式血液型にD抗原というのがあります。D抗原(―)をRh(―)、D抗原(+)をRh(+)といいます。
Rh (―)の母親がRh(+)の児を妊娠すると、妊娠中に胎児のD抗原が母体に移動して、その結果、母親の体内にD抗原に対する抗体(抗D抗体)が産生されます。
何も対処せずに、次回にRh(+)の赤ちゃんを妊娠した時、母親が持っている抗D抗体が赤ちゃんの方に移動し、赤ちゃんの赤血球の表面にあるD抗原を攻撃して赤血球を破壊します。その結果、胎児貧血・胎児水腫・心不全や新生児黄疸・核黄疸をおこす原因となる可能性があります。
それを防ぐために、Rh(―)の母親には中絶手術の後に、抗D抗体を産生しないように「抗D人免疫グロブリン製剤」を筋注することが勧められています。

次に中絶の術前検査を受ける時期についてご説明いたします。

2.中絶手術前の検査を受ける時期

問診が終わり、超音波検査または尿検査で妊娠が確認されましたら術前の血液検査を行います。中絶の術前検査を受ける時期と検査内容は、初期中絶と中期中絶とではほとんど同じです。ただ、中期中絶の場合、手術が難しくなるため、胎盤の位置や胎児の大きさ、既往帝王切開分娩の方は帝王切開瘢痕症候群の有無 等が問題となります。
そのため、妊娠しているかもしれないと気がついた時、できるだけ早めに受診することが大切です。パートナーとの話し合いの上、様々なご事情から妊娠の継続が難しいと判断された時に、妊娠の確認を早いタイミングで知ることで、中絶手術の負担をあらゆる角度から見て、少なくすることができます。
普段から月経不順の方の場合、妊娠に気がつくのが遅れてしまう傾向があります。妊娠しているかもしれない、とお悩みの場合にはクリニックの婦人科・産婦人科を受診して医師にご相談していただくことをおすすめします。

初期中絶の場合

初期中絶とは、妊娠12週未満までの妊娠初期に受ける中絶を指します。妊娠週数は、最終月経開始日を0週目として数えます。そのため、実際には妊娠1週であってもまだ妊娠していないことになります。妊娠4~5週目頃は超音波検査で子宮内に胎のうを把握しにくい時期のため、妊娠6週以降に超音波検査による術前検査を受けると良いといえます。月経予定日を1週間過ぎても生理がこない場合には、市販の妊娠検査薬で検査をし、月経予定日を2週間過ぎても、まだ生理が来ない場合は、病院・医院の婦人科・産婦人科を受診して超音波検査を受けるのが、よいタイミングです。
ただし、最終生理日から妊娠数週を数える方法は生理周期が28日周期であることを前提としており、月経周期が不安定な生理不順の場合には不正確です。

中期中絶の場合

中期中絶とは、妊娠12週~22週未満までの妊娠中期に受ける中絶手術のことです。超音波検査で胎児週数を推定し、胎盤や子宮の精査を慎重に行います。中期中絶の場合は、前置胎盤が問題となる場合があります。
既往の帝王切開分娩のある方は、帝王切開瘢痕症候群CSS、帝王切開瘢痕部妊娠CSPの合併の有無の精査が必要です。きわめてまれですが、CSS、CSPの合併が疑われる場合は他院や高次病院への紹介実施の検討対象になります。


3.術前検査~中絶手術後までの流れ

当院は完全予約制です。妊娠の確認および中絶手術をご希望される患者様は、まず診療のご予約をお願いいたします。ご予約はお電話またはWebから可能です。Web予約のみでは、予約は完了していません。後日お電話にて、お問い合わせをお願いしております。お電話にて、前日の過ごし方や当日の持ち物などの詳細をご確認ください。



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術前検査から中絶手術までの流れ

  1. 1.診療の予約(お電話またはWeb予約)
  2. 2.予約した日に来院。診察、術前検査を行います。
  3. 3.中絶手術
  4. 4.術後検診(術後1週間前後)

手術内容と注意点

・初期中絶(妊娠11週6日まで)
初診時の術前検査で問題がなければ、吸引法による日帰り手術を行います。吸引法は、子宮内に細い吸引器具を挿入し、内容物を吸い取る手術方法です。吸引法は子宮内膜を傷つけにくい手術方法で、手術時間も短いので、術中・術後の出血量が少なくてすみます。

術前処置(痛みのある子宮頸管の拡張)は不要で、点滴による静脈麻酔と鎮痛剤で眠っている間に行います。手術開始から3分ほどの手術です。笑気麻酔は体質によって省くことが可能です。
手術後は回復室で安静にしていただき、医師の診察で問題がなければ約3時間程度でご帰宅いただけます。翌日からお仕事が可能な方がほとんどです。
・中期中絶(妊娠12週〜21週6日まで)
初診時の術前検査で問題がなければ中期中絶を行います。中期中絶では週数によって術式は異なります。妊娠12週では初期中絶と同じ吸引法。妊娠13〜14週では、経産婦では前処置なしの吸引法、未産婦では前処置ありの吸引法または分娩法です。妊娠15週以降では分娩法です。
術後は法律により「死産届」と「死産証書」を術後1週間以内に役所に提出して、役所から「死胎火葬許可証」を発行してもらう義務があります。
また、健康保険に加入されている方は「出産育児一時金制度」の対象になります。



手術内容と注意点

当院の手術費用には以下の項目が含まれております。
・初診料

・診察料

・検査料

・手術料

・麻酔料

・術後検診料

・消費税

・永代供養

・火葬埋葬代(中期中絶のみ)

費用の詳細については、中絶費用のページにてご確認ください。



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術後のフォロー

中絶後は術後1週間前後で必ず検診にご来院いただいております。検診では、子宮と卵巣の回復状況を超音波検査で確認しています。また、術後に心配や不安が残らないように、気になる点がないか確認させていただいております。
初期中絶の場合、原則として「手術当日」と「術後検診」の2回の通院で終了することも可能です。術後の出血・発熱・腹痛などの症状や注意点については、当院ホームページにも詳しく記載しています。

術後にご不安やお困りごとがある方は、お電話にてお問い合わせください。
中絶手術後は、身体的にも精神的にも、無理をせず回復に努めることが大切です。中絶手術が原因で不妊になることはほとんどありません。

中絶を原因で引き起こされるストレス障害、PAS(中絶後遺症候群)やPASS(中絶後ストレス症候群)は時間と共に改善していく方がほとんどですが、術後に不安なお気持ちがありましたら、お気軽にスタッフにご相談ください。
当院では患者様に寄り添った丁寧なサポートとケアを心がけております。

避妊相談

今後は望まない妊娠をしないように、避妊方法をご案内しています。ご希望の方は診察時にお気軽にご相談ください。
・低用量ピル
避妊だけでなく、生理痛や月経不順の改善にも効果があります。

・子宮内避妊具(ミレーナ)
子宮内に挿入し、約5年間避妊効果があり、過多月経の改善にもつながります。

未成年の方

未成年でも中絶手術は可能ですが、年齢に応じて親または保護者の同意が必要な場合があります。事前にお問い合わせください。


4.案心してご相談いただける中絶手術のご案内

当院では完全予約制ですので、ご来院からほとんどお待たせすることなくご案内することができます。患者様のプライバシーに配慮しておりますので、安心してご相談ください。
初期中絶ではご来院から約3時間でお帰りいただける日帰り手術が可能です。また、中期中絶や難度の高い症例にも対応していることが特徴です。

初期中絶は痛みのある術前処置なしで、吸引法で手術を行います。費用は一律10万円(税込)で、わかりやすい費用体系です。

手術に必要な、初診料・診察料・検査料・手術料・麻酔料・術後1回目の検診料、の費用は含まれています。追加費用なし、患者様ご自身での手配不要で、胎児の永代供養もさせて頂いております。中期中絶では、妊娠週数によって費用が異なります。健康保険に加入されている方の場合、「出産育児一時金制度」の対象になります。申請方法など詳細は受付よりご案内しております。

院長は母体保護法指定医で、痛みや安全性に配慮した手術を行なっております。術前から術後まで、患者様に寄り添った丁寧なサポートとケアを行なっておりますので、遠方からの患者様も安心してご相談ください。

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お電話で予約 完全予約制

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日帰りでの中絶手術も可能

診療時間外の場合はこちら

※中絶手術には、同意書が必要です。
印刷が難しい場合は画面を参考に手書きでもOKです。

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手書きでもOK

診療時間
10:00~13:00 × ×
16:00~17:00 × × × × × × ×
【診療時間】の、 は診療、×は休診です。
【日・月・火・金・土・祝日】 10:00~13:00 (8時45分から予約可能です)
【水・木】休診日
事前に電話(03-3408-5526)でご予約下さい。
監修 竪山均 tateyama hitoshi
資格医 麻酔科標榜医 | 母体保護法指定医
当院は完全予約制です。 問診や各種相談は、個室で行っているため、ほかの患者さんに診療内容を知られることもありません。 来院後、ほとんどお待ちいただくことなく診療、検査を受けられます。 ささいなことも、どうぞご遠慮なくご相談ください。 このホームページが、あなたの不安な気持ちを少しでもやわらげるための一助となることを願ってやみません。

監修者詳細

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