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03-3408-55261日分のピルを飲み忘れた場合の対処法
ピルを飲み忘れた場合、ピルのどの個所で何日分飲み忘れてしまったのか、またピルの種類、等によっても対処法が変わってきます。
翌日の服用前に前日の飲み忘れに気付いた場合
ピルを飲み忘れたことに気がついた時点で、飲み忘れたピル1錠を服用します。その後は計画通りの時間帯でピルの服用を続けます。
<注意点>
・1錠の飲み忘れであれば、避妊効果や薬理効果がなくなることはないと言われています。
・避妊薬ピルの場合は1錠の飲み忘れでは妊娠の可能性はほとんどないと言われていますが、飲み忘れが1周目の最初のあたり、もしくは第3周目の最後のあたりの場合は注意が必要です。また、4週目のプラシーボ(偽薬)を飲み忘れた場合は、とくに飲み忘れを服用する必要はありません。
・保険適用ピルの飲み忘れには、不正出血が生じることが稀にあります。
[注] 保険適応ピル
<図による1日分のピルを飲み忘れた場合の対処法>
・飲み忘れに気づいた時に1錠服用し、以降は従来通りに1錠服用する。追加の避妊法は通常は必要ないといわれています。
翌日の服用時に前日の飲み忘れに気付いた場合
飲み忘れに気付いた時が次の服用時と重なるため2錠服用することになります。翌日からは計画通り服用します。
<注意点>
・2日連続で飲み忘れた場合の注意点と同じです。
・プラセボの飲み忘れは、問題ありません。
2日以上ピルを飲み忘れた場合の対処法
ピルを2日以上飲み忘れた場合は、1錠の飲み忘れの時より妊娠する確率が高くなりますので、飲み忘れに気付いた後はコンドームの使用など他の避妊方法を併用使用するようにします。また、飲み忘れた期間に性行為を行った場合は、緊急避妊薬服用も考えることが必要です。
2日連続で飲み忘れた場合
<当院の方法>
2日連続で飲み忘れた場合は、気づいた時に飲み忘れた2錠を服用して、それ以降は、普通通りに服用を続けます。
<ピルを発売している取り扱い説明書>
「2日以上連続して飲み忘れがあった場合は服用を中止させ、次の月経を待ち投与を再開させること、なお、飲み忘れにより妊娠する可能性が高くなるので、その周期は多々の避妊法を使用させること」と記載されています。(トリキュラー21錠28錠取り扱い説明書 バイエル薬品株式会社より)
<注意点>
・プラシーボの飲み忘れは関係ありません。
・2日連続で飲み忘れた場合、保険適用ピル、避妊薬ピルともに消退出血が生じることがあります。
・飲み忘れた時にセックスを行ったときは、アフターピルの服用も検討します。
[注] 緊急避妊薬アフターピル
[注] 避妊に失敗
・ピルの飲み忘れが2日以上続いた場合、その飲み忘れが1週目の最初もしくは第3週目の最後にピルを飲み忘れた場合は排卵が生じる可能性が高くなるので注意が必要です。
・1週目の最初もしくは第3週目の最後にピルを飲み忘れた場合、より避妊に注意が必要な理由は、7日以上休薬期間が続くと排卵の準備が行われ、排卵の可能性が高くなるからです。
<図による2日連続して飲み忘れた場合の対処法>
3日以上飲み忘れた場合
3日以上飲み忘れた場合は妊娠のリスクが高まりますので、その時点でピルの服用を中止して、ピル以外の方法、例えば、コンドーム等で避妊をおこなうか、又はセックスを控えます。次の月経が生じたら、新しいピルを遅くとも5日以内に服用スタートを開始します。少なくとも7日間連続で飲むまでは避妊をします。
<図解による3日以上連続して飲み忘れた場合の対処法>
3日以上連続して飲み忘れた場合は、服用を中止してコンドーム等の避妊法を採用します。生理がきましたら、生理開始1日目または5日以内に新しいピルの服用開始をおこないます。
ピルの料金と、ピルの飲み忘れについてのよくある質問
ピルの飲み忘れは比較的よくあることですが、ピルによる避妊の原理、排卵と受精の行われ方を知ることで、ピルの飲み忘れに対して適切に対応できます。
ピルの料金
経口避妊薬ピルは自費診療となります。当院では初診料、薬剤料、検査料、消費税、等をすべて含んだ一括の分かりやすい費用となります。
治療薬ピルは保険診療で3割負担となります。
[注] 料金
よくある質問
ピルは何日飲み続けると避妊できますか?
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ピルは普通1週間(7日)飲み続けると排卵を抑制して避妊効果が生じます。
ピルは何日以上服用をやめると排卵の準備がおこなわれますか?
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通常7日間以上休薬すると、排卵の準備がすすみます。したがって、7日間の休薬期間(プラセボ)の前後に飲み忘れると休薬期間が長くなり排卵の可能性がでてきますので、避妊薬ピルとしての役割が減少します。
ピルの飲み忘れに対して、薬剤メーカーの説明はありますか?
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薬剤メーカーはピルを2回以上飲み忘れた場合はそのピルの服用を中止して他の避妊法を行うことを勧めています。
ピルをいつ服用したかわからない場合
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いつ服用したかわからなくなってしまった場合は、今後の服用方法や避妊効果について処方してもらったクリニックに来院受診して医師に相談するようにしましょう。飲み忘れた時期に性交渉をした場合、妊娠する可能性があるため、コンドームなどを用いた避妊方法を併用します。
プラセボ(偽薬)を飲み忘れた場合
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プラセボとは薬の成分が入っていない偽薬のため、飲み忘れた分を服用する必要はありません。したがって、ブラセポを飲み忘れてしまった場合は、飲まずに破棄していただいて大丈夫です。
飲み忘れを防ぐためには、どうすればいいでしょうか?
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避妊ピルの場合はプラセボのない21日間服用タイプよりも、毎日の服用を習慣づけるためにプラセボのある28錠タイプを選択することも考えられます。治療薬ピルには「専用アプリ」をスマホにダウンロードする方法もあります。
ピルの飲み忘れをしないために
ピルの飲み忘れをしないためには、ピルの服用がどのような原理で避妊をおこなっているのか?そして飲み忘れると、なぜ避妊効果が落ちるのか?そして、飲み忘れないための対策を検討します。
ピルとは
低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンが主成分の合剤です。ピルは、避妊目的で使用される自費診療ピル(OC)と治療目的で使用される保険適用ピル(LEP)の2つに分類されます。
[略語解説]
OC=oral contraceptive(経口避妊薬)
LEP=low dose estrogen-progestin(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)
2つの種類のピルと副効用
・避妊目的で服用されるOCは正しく毎日飲み続けることで高い避妊効果を発揮します。治療目的で服用するLEPは月経困難症や子宮内膜症などの症状の治療に用いられます。
・低用量ピル(OC/LEP)を正しく服用することで、ホルモンバランスを整えて、生理痛の軽減、生理日の移動、生理不順の改善、月経経血量の減少、ニキビの改善、卵巣がん、子宮体がん、大腸癌のリスク低下などの副効用があり、女性にとって様々なメリットがあります。
[注] ピルとは
ピルの副作用
・ピル服用によって副作用が起こることがあります。不正性器出血、頭痛、吐き気、嘔吐、むくみ、めまい、乳房の張りなどのマイナートラブルは飲み始めの頃に出ることがありますが、次第に改善することが多いです。
・血栓症には注意が必要です。当院では、初診時に診察、体重測定、血圧測定、必要に応じて血液検査を行い、安心して服用を続けるために定期的な採血検査等を実施しております。
[注] ピルの副作用
ピルと癌
ピルは、子宮体癌、卵巣がん、大腸癌のリスクを低下させますが、子宮頚がん、乳がん、の発症のリスクを増加させる可能性があります。ピル服用時には、乳がんと子宮がんの検診を定期的に行うことをおすすめしています。
ピルの飲み忘れをしないために
・低用量ピル(OC)は、毎日忘れることなく正しく飲み続けることで、高い避妊効果を発揮します。飲み忘れがないことが一番よいのですが、万が一服用を忘れてしまった場合の正しい対処方法を知っておくことが大切です。
・飲み忘れを予防するためには、休薬期間のない28日タイプのピルを選んで服用することや、外出先でも服用できるようにピルケースに入れて持ち歩くようにする、飲み忘れ防止のアプリを活用するなど、ご自身に合った方法で、なるべく飲み忘れのないようにピルを服用されることが、高い避妊効果の得るポイントになります。
・また、24時間のオンライン診療を実施している産婦人科クリニックもおすすめです。
・当院では、ピルを服用開始する前に服用方法についてご説明しており、服用にあたって心配のないようにサポートさせていただいております。服用の途中でも、体調の変化や服用方法についてご心配な場合は、お気軽にお電話にてお問い合わせください。
中絶手術について
ピルを飲み忘れて妊娠してしまったとしても妊娠を続行して出産することはできます。望まない妊娠の場合は中絶手術を検討します。
[注] 中絶手術とは
[注] 初期中絶と中期中絶